人を中心に据えた日本のデジタルトランスフォーメーション(DX)

2020年9月、菅首相率いる新政権は、日本の成長の中核戦略としてデジタルトランスフォーメーション(DX)を推し進めることを強調し、デジタル庁の創設へと動き出しました。安倍前首相のもとで策定された政府のビジョンSociety 5.0をさらに加速するこの動きは、日本を次の成長段階へと導き、生産性を高め、ひいては人々の生活を向上させ、生活者、企業そして地域社会全体に活力を与えると強く確信しています。Amazonは、政府と足並みをそろえ、日本のDXを産業界の一員としてけん引していきたいと考えています。

新型コロナウイルスの感染拡大は、世界中に大きな課題をもたらし、私たちのライフスタイルや働き方に急速な変化をもたらしました。そのような中、DXは経済成長を促進し、企業や地域社会に利益をもたらす強力な取り組みとして注目されています。日本政府は、「新たな日常」の定着・加速に向け、各種支援や規制改革等を通じ、地域を含む社会全体のDXの実装を加速するとしています。この政府の考え方は、急速に変化するデジタル環境に対応するために制定された「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律(以下、取引透明化法)」などにも表れています。

Amazonは、お客様と販売事業者様の双方に喜んでいただけるサービスをご提供することに注力してきました。お客様に豊富な商品を提供してくださる多くの販売事業者様と協力し、より多くのお客様にサービスをご提供してきました。そのため、私たちは取引透明化法をはじめとした関連法規を遵守するだけに留まらず、お客様と販売事業者様に対して、公平性および透明性をもってAmazonとお取引いただけるよう、今後も引き続き、適切な環境を整えていくことが必要だと考えます。

デジタルトランスフォーメーションを日本の活力に

Amazonは日本でビジネスを開始して今年で21年目を迎えました。この間、政府機関や各種団体、民間企業、地域社会そして人々の日常生活において、デジタル技術がより一層、活用されるようになりました。この傾向は2020年に入り、特に小売業において加速しました。例えば、小売業の業界分析を行うGlobalData社の最新調査によると、日本のオンライン販売の2020年の売上高は、2019年と比較して49.7%増加し、また小売全体のオンラインを通じた売上高の割合は2019年比で3.6%増加しました。

GlobalData社の調査結果をカテゴリー別に見ると、生鮮食品は現在、最も人気のあるオンライン購入商品の一つで、2019年から2020年にかけて約150%の成長を遂げ、美容(55%)やアパレル(45%)を上回りました。この間、Amazonは生鮮食品のオンライン購入を希望されるお客様のニーズに応え、オンラインを通じて地域社会に継続的に貢献することを目指して、地域に根差した食品スーパーチェーンと協業し、オンラインに必要なデジタル技術を提供してきました。先述の調査によれば、日本の小売業では2020年に、オフラインとオンラインを統合したマルチチャネルの売上高が前年比98%の成長を遂げているというデータもあり、これは実店舗の小売業者がDXを活用し、厳しい時代にも機敏にお客様のニーズに対応してきたことを示しています。

日本の中小企業の成長を支援

販売事業者様とのパートナーシップは、Amazonそしてお客様にとって極めて重要です。そして、販売事業者様の大半が中小企業の皆様です。地域の中小規模の販売事業者様は、豊富な品揃えとお求めやすい価格でAmazonのお客様に商品をご提供くださり、そしてAmazonは、それらの販売事業者様がより多くのお客様に商品を紹介し、ブランドを確立して、ビジネスを成長させることができるように日々、取り組んでいます。現在、Amazon.co.jpで販売されている、日本の中小規模の販売事業者様の数は15万を超えています。また、2020年5月末時点でAmazon.co.jpにおいて、日本の中小規模の販売事業者様が販売した商品は4億点以上。そして、1,000万円(税込)以上の年間売上を初めて達成した中小規模の販売事業者数は3,000社以上に上ります。また、平均年間売上高は700万円超(税込)で、前年同期の600万円超(税込)から増加しました。

これまでにも、日本の中小規模の販売事業者様から、Amazonのブランドや投資、そして集客力が彼らの事業にとって大きなメリットになっているというお声を多くいただいています。例えば、Amazonでは、販売事業者様が海外のAmazonで商品を販売するために、出品アカウントの作成や商品登録などの際のサポートに加え、販売事業者様ご自身の販売動向の分析や事業成長のためのご提案も行っています。

ある中小企業の経営者様は、Amazonのグローバルな物流ネットワークを活用することで、困難な時期にも事業を継続することができたことについて、次のように述べています。

「日本の空港内で海外のお客様向けに土産品を販売していましたが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大以降、売上は以前の10%にまで落ち込みました。Amazonで海外販売を開始しようと思ったのは、今まで経験したことのない海外での販売に伴う不安や課題をAmazonが解消してくれたからです。また、『フルフィルメント by Amazon』*を最大限活用することで、サプライ・チェーン・マネジメントに必要な時間を短縮し、お客様へのメリットをより重視した製品開発に時間を割くことができるようになりました」
* Amazonが販売事業者様に代わって在庫を保管し、受注、配送、カスタマーサービスの提供を行うサービス

販売事業者様のAmazonでの成功ストーリーの一部はこちらでもご紹介しています。

「盆栽愛」が導いた盆栽通販の可能性

猫の幸せを第一に商品開発し世界へ

福を届けるハンガー 老舗3代目の挑戦

デジタルが切り拓く中小企業の未来

Amazonは、物流、ツール、サービス、プログラム、人材を通じて販売事業者様のビジネスの成長を支援するため、2020年単年で180億ドル強をグローバルで投資しています。日本では8,500人以上の社員が力を合わせ、販売事業者様を始めとするパートナー企業の皆様がAmazonのお客様を魅了し、そしてアピールすることができるようシステムやツールの構築・維持に努めています。販売事業者様にビジネスの分析結果をご提供し、さらにこれらの情報を販売事業者様の事業の成長に向けた具体的な施策にご活用いただけるよう、取り組んでいます。また、販売事業者様に在庫状況や他社と比較した際の価格の競争力等、販売に関する重要な分析や情報をご提供することで、事業の管理を支援しています。その他にも、売上の推移、販売している商品を閲覧しているお客様の数や購入率など豊富な情報をご提供しています。

Amazonは、販売事業者様のビジネスの成長と持続性を支援するために日々、努力を重ねるとともに、販売事業者様に対する公平性と透明性の向上にも取り組んでいます。日本政府は、取引透明化法をはじめとしたデジタル分野のルール整備を進めるなど、国民の皆様や企業が安心してDXを継続的に推進できる環境整備に積極的に取り組んでいます。DXはAmazonのDNAに深く刻み込まれており、政府、ビジネスパートナー、そしてより広い地域社会の皆様からの期待に応えるだけでなく、さらなる改善に向けて歩み続けています。例えば、透明性を高める施策の一つとして、Amazonではお客様と販売事業者様に明確な規約・ポリシーを開示しています。また規約・ポリシーの変更については、販売管理画面であるセラーセントラルのニュース、Amazon出品モバイルアプリ、およびEメールで継続的に販売事業者様にお知らせしています。また、セラーセントラルのヘルプページには、さまざまな分析や情報へのアクセス方法を含む詳細情報を掲載しています。さらに、ビデオやオンラインウェビナーなどを用意することで、販売事業者様にAmazonからご提供する情報をご理解いただいた上で、ビジネスを拡大いただけるよう取り組んでいます。

ウェビナーに参加したある中小企業の経営者様は次のように述べています。

「オンライン販売は思っていたよりもずっと簡単です。Amazonは、私どもの事業の成長のために効果的なツールや1対1のオンライン販売サポートを提供してくれました。一連のオンライン講習では、明確なアドバイスを提供してくれ、とても参考になります」

Amazonは、販売事業者様との相互理解を深めるために、迅速なコミュニケーションを重視しています。販売事業者様とお客様の声を共有したり、トラブルに関する取り組みや懸念事項について相談したりできるよう、チャットやEメールによるサポートを行っています。Amazonの販売事業者様向けのサポートチームは全世界において、2020年に販売事業者様から6,000万件以上の連絡を受け、すべての連絡に迅速に対応し、解決するよう努めてきました。Eメールでのお問い合わせの90%以上には12時間以内に返信し、電話とチャットによるお問い合わせの90%以上に90秒以内に応答するなど、すべての販売事業者様からのお問い合わせの80%以上が24時間以内に解決されています。

また、もしAmazonのポリシーが誤って適用されたと販売事業者様が思われた場合には、異議を申し立てることができる仕組みを長年にわたって提供してきました。さらに、場合によっては、Amazonの「アカウント・ヘルス・サポート・チーム」がアカウントを停止する前に、該当する販売事業者様に電話をかけ、停止の原因となる問題について個別に相談しています。そして、その問題を解決できるよう積極的に働きかけていくことで、アカウントの停止を回避できるよう努めています。

これらは、Amazonが長期的に取り組んでいる施策のごく一部にすぎません。今、日本が国をあげてDXを推進する中、私たちAmazonが果たすべき役割もこれまで以上に大きなものになっていると感じています。日本における20余年の実績と経験を基に、今後もお客様、販売事業者様やお取引先企業の皆様、地域の皆様の声に真摯に耳を傾け、デジタル化を通して日本の次なる成長に微力ながら貢献してまいります。

日本のDXに向けたAmazonの取り組み、中小企業支援、当社のデジタルテクノロジーについての詳細は、このブログのAmazonがつなぐ夢をご覧ください。

2021年5月

アマゾンジャパン社長
ジャスパー・チャン(Jasper Cheung)

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