今から20年前の2000年は、「IT革命」という言葉がその年の流行語大賞となった年でした。そのような、日本全体でIT技術による未来が描かれ始めた時代に、Amazonは日本でのサービスを開始しました。
2000年11月、アマゾンジャパンは東京に事務所を1拠点、千葉県市川市に配送センターを1拠点、北海道札幌市にカスタマーサービスセンターを1拠点構えて、洋書60万点、和書60~70万点を取り揃え、当初は、本のみをオンラインで販売開始しました。その後、Amazonのミッションである「地球上で最もお客様を大切にする企業になること」を念頭に、常にお客様のニーズに応えられるように、商品カテゴリーを増やすとともにさまざまなサービスを展開してきました。1-Click注文やAmazonプライム、Amazonデバイスといったサービスや製品を拡充しながら、ロボティクスやAI、そしてデータセンターを活用した世界最先端のフルフィルメント・ネットワークを構築するなど、商品の配達においてもお客様に最も素晴らしい体験を提供できるよう努めてきました。さらに、中小企業支援や災害支援、サステナビリティの促進、教育支援活動などを通じて、より良い社会の実現に取り組んでいます。

ここからは、これらの取り組みについてご紹介します。

物流(フルフィルメントセンター)

  • Amazonでは、お客様のために品揃え・低価格・利便性を高め、Amazonで働くスタッフにとって安全で働きやすい職場を作ることを常に重視しながら、継続的にオペレーションの改善に努めています。2017年には日本で初めて、商品棚の下にロボットが入り、自動制御で棚を持ち上げ、Amazonの物流拠点であるフルフィルメントセンター(FC)内を移動する革新的なテクノロジーであるAmazon Roboticsを神奈川県川崎市の川崎FCに導入し、2018年にはAmazon Roboticsを一世代進化させ、日本独自の技術と最新鋭の設備を備えた茨木FCを大阪府茨木市に立ち上げました。今後は、AIやマシンラーニングを活用することで、作業品質をさらに向上させ、管理業務を簡素化することで、FCのスタッフがさまざまな管理業務から解放されて、より付加価値の高い仕事ができるように取り組んでいきます。
  • 2019年9月には、ドライバーの再配達に関わる負担を軽減し、お客様がショッピングをより快適にお楽しみいただけるように、セルフサービスで商品を受け取っていただける「Amazon Hubロッカー」と、店舗スタッフが商品をお渡しする「Amazon Hubカウンター」という新たな2つの商品配送オプションを開始しました。

アマゾン ウェブ サービス(AWS)

  • アマゾン ウェブ サービス (AWS) は、Amazonのオンラインビジネスの成長をテクノロジーで支えるために生まれた新しい技術、クラウドコンピューティングを提供しています。2006年から新しい事業として独立し、日本でも2011年に東京リージョンというデータセンター群を開設しました。また、2018年10月に、目黒セントラルスクエアの新オフィスに世界で3か所目、アジアで初の常設拠点となる、スタートアップやデベロッパーを支援する「AWS Loft Tokyo」をオープンしました。また、IoTやAR/VRなどの先端技術に触れることができ、コンセプトメイキングやラピッドプロトタイピングなどをお客様と一緒に開発できるAWS Digital Innovation Labもオープンしました。これらの施設では、スタートアップやデベロッパーの皆様がAWSの知識やサービスを学び、コーディンクし、交流し、挑戦をカタチにする場所を提供することを目指しています。
  • AWSでは、現在175以上のサービスを提供しています。これらを組み合わせることで、企業のビジネス成長やイノベーションを推進するだけでなく、社会課題を解決することが可能となりました。たとえば、「視線入力」の技術とAWSの深層学習を利用したテキスト読み上げサービス「Amazon Polly」を利用したプレゼンテーションシステムを、ALS(筋萎縮性側索硬化症)を患っているお客様が開発しました。同じような障がいのある方々がテクノロジーで肉体のハンディを乗り越え、社会とのつながりを保てるよう、このシステムは無料で提供されています。AWSのサービスは日々進化しており、さまざまなお客様の可能性を広げています。

Amazonプライム

  • 2007年、お客様の日々の生活をより便利で豊かにするために、お買い物やエンターテインメントなどのさまざまな特典をご利用いただける会員制プログラム、Amazonプライムが開始されました。2007年に「お急ぎ便」「お届け日時指定便」、2015年に「Prime Video」「Prime Music」「Prime Now」、2016年に「Amazon Photos」、2017年に「Amazonフレッシュ」「Prime Reading」「Amazon Music Unlimited」「Prime Gaming(旧:Twitch Prime)」、2018年に「プライム・ワードローブ」など、継続的にサービスを拡充してきました。今後も、日本のお客様のニーズに合わせて、サービス・特典の拡充に努めてまいります。

Amazonデバイス

  • 日本でのAmazonデバイスの提供は、2012年10月に発売したKindleシリーズから始まりました。読書に没頭するために開発された「Kindleシリーズ」は、紙のような読み心地の実現や、目が疲れにくいフロントライトを搭載するなど進化を続け、現在では3機種とキッズ向けのKindle キッズモデルを提供しています。また、高性能タブレット「Fireタブレットシリーズ」も2012年10月の発表以来、その性能、機能ともに進化を続け、現在では販売中の3機種に、Fireキッズモデルも加わりました。そして、2015年9月にはストリーミングプレイヤー「Fire TVシリーズ」が登場し、豊富な映画やテレビ番組のコンテンツを簡単にお楽しみいただけるだけでなく、さまざまな動画サービスやスポーツ、音楽番組等のアプリも視聴することが可能になりました。さらに、クラウドベースの音声サービスAlexaとそのテクノロジーが搭載されたEchoシリーズを2017年11月より販売を開始しました。Alexaは、音楽の再生、アラームやタイマーのセット、スマート家電の操作、ニュースやスケジュールの読み上げ、スポーツの結果のなど、さまざまな機能や情報をお客様に提供し、現在も進化し続けています。企業や個人により開発されたAlexaスキルは、世界で10万以上、日本で3,500以上提供され、お客様のAlexa体験をより豊かにしています。Amazonデバイスは、今後も、お客様の暮らしをより便利により快適にするために、さらに良質な体験をお届けしてまいります。

中小規模事業者様の支援

  • 日本ストア:Amazonは2010年に、日本各地のご当地グルメや特産品を取り扱う「日本ストア」(当時は「Nipponストア」)をオープンしました。Amazonはこれまで、中小企業の皆様が販路を見出し、国内外へお客様の裾野を広げていかれるように、Amazonマーケットプレイスやフルフィルメントby Amazon(FBA)、海外販売支援サービス、無料オンラインセミナーなどの、さまざまなサービスを提供してきました。「日本ストア」は、特に地域の特産品や伝統工芸品を取り揃えたオンラインストアです。老舗ハンガーメーカー中田工芸や伝統的な九谷焼で知られる九谷物産、からくり箱などに用いられる寄木細工の箱根丸山物産西山酒造場など、多くの企業がAmazonのサービスを活用して、ビジネスを拡大しています。今後も、より多くの事業主様に、Amazonのサービスをご利用いただき、国内外で成功していただけるように取り組んでまいります。
  • Amazon Academy:Amazonは、2018年11月、「Amazon Academy」を日本で初めて開催しました。産官学が共同し、日本における新しい事業の立ち上げやビジネスのさらなる成長、多様な働き方をサポートすることを目的としています。2020年に開催された第5回Amazon Academyでは、「新たなステージを迎える日本経済そして中小企業の未来につながる布石を考える」をテーマに全国の中小企業事業主様や報道関係者を含む2,200名以上が参加しました。Amazonはこれからも中小企業や起業家などさまざまな規模、業種で働く皆様を支援していきます。

地域社会と共に

  • STEM:Amazonでは定期的に「IT・プログラミングキャンプ」を開催し、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)の4つの分野を軸に、子どもたちに学びの面白さ(自分で学び、自分で理解していく)を体験し、創造力やコミュニケーション能力などを身につけてもらう「STEM教育」を推進しています。STEMを子どもの頃から学ぶことで、今後社会で必要となるITスキルを身に付けることができることから、今後も、各団体や機関とのさまざまなコラボレーションを通じて、より一層STEM教育の支援に取り組んでいきます。
  • Amazon Goes Gold:Amazonでは、毎年9月に世界中で実施されている小児がんの啓発月間に「Amazon Goes Gold」キャンペーンを実施し、Amazonの仲間たちが力を合わせて、小児がんの子どもたちと、そのご家族が直面するさまざまな課題に光を当て、社員が一緒に応援する活動を行っています。これからも小児がんの子どもたちやご家族と寄り添い、小児がんの認知拡大に努め、活動を通して笑顔をお届けしていきます。
  • ほしい物リスト:Amazonでは災害発生時に、被災地の皆様に対して「ほしい物リスト」を活用した物資支援を行っています。被災地の「ほしい物リスト」をAmazonのサイト上で公開し、Amazonのお客様に購入いただくことにより、被災された皆様が必要な物資を、必要な量だけ、必要な時にお届けできる持続可能な取り組みです。東日本大震災を機に始まったこの取り組みは、2016年の「熊本地震」「令和2年7月豪雨」など多くの被災地でご利用いただいてきました。また、2020年11月からは、被災地だけではなく、より多くの皆様に「ほしい物リスト」をご利用いただけるよう、「Amazon『みんなで応援』プログラム」を開始しました。このプログラムは、日本各地で物資の支援を必要としている各種団体・施設を継続的にサポートしていくことを目的とし、各種団体・施設が支援を希望する物資の「ほしい物リスト」をAmazonのサイト上で公開し、このプログラムの趣旨にご賛同いただける方々にそのリストから商品をご購入いただくことで、それらを応援物資としてAmazonからお届けする取り組みです。経済的困窮を抱えている家庭の子どもへの学習支援等に取り組んでいる団体や各地域で社会貢献活動を実施している団体、ひとり親支援団体、保護犬・保護猫を飼育している動物保護施設など、150以上の団体・施設が当プログラムに参加しています。今後も、Amazon独自の仕組みである「ほしい物リスト」が、各地域や団体・施設への支援の一助になればと考えています。
  • モバイルFC:Amazonは、2019年7月、Jリーグ川崎フロンターレの「2019ファン感謝デー」にコミュニティパートナーとして参加し、日本で初めて物流拠点をテーマとしたSTEM教育を体験できるモバイルFCを導入しました。モバイルFCは、全長8.5メートル、8トンのトラックで、コンテナ部分には、子どもたちが物流センターの仕事を体験できるさまざまな設備が搭載されています。Amazon Roboticsの技術が導入された商品の棚出しや梱包作業が体験でき、自走式商品棚の原寸大の模型などにも直接触れることができます。モバイルFCを通じて、地域の若者を応援するプログラムや、働きやすい職場環境、人にやさしいテクノロジーを、より多くの皆様にご体験いただけるように努めていきます。

環境保護に向けて

  • 2019年9月、AmazonはGlobal Optimismと、気候変動対策に関する誓約(The Climate Pledge)を立ち上げ、この誓約書に署名をした初めての企業となりました。この誓約は、パリ協定の達成目標である2050年よりも10年早い、2040年までに炭素ゼロ(二酸化炭素排出量の実質ゼロ化)の達成を約束するものです。すでに実現に向けて活動を開始しており、2025年までにAmazonの全事業で再生可能エネルギーの電力比率を100%に到達させ、2030年までに全配送のうち50%を炭素ゼロ化する(Shipment Zero、シップメント・ゼロ)という2つの目標を達成するため取り組んでいます。またアマゾンジャパンは、持続可能な脱炭素社会の実現を目指す日本独自の企業グループ「日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)」へ2020年に加盟しました。これは、Amazonを始めとする企業が2040年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロとする気候変動対策に関する誓約(The Climate Pledge)を推進するためでもあります。アマゾンジャパンの物流拠点では、エネルギー使用量を最小限にとどめる効率的な構造で設計されており、施設制御システム技術とリアルタイムデータ分析を用いることによって、建物内の暖房・冷却システムを最適化しています。また、照明管理によるエネルギー使用量の削減、コンベアシステムや資材運搬機器への新技術の採用など、事業効率を最大限に高めながら、エネルギー節減の可能性を常に追求しています。「Shipment Zero」の達成には、再生可能な梱包・包装のほか、物流拠点・配送拠点と顧客との距離が近く、人口密度が高いことから、配送効率が他国に比べて優れているという日本独自の強みを生かして、車両の二酸化炭素排出量を抑えるよう取り組んでいます。2019年7月には、サステナビリティの文化を拡大するため、有志社員でつくるAmazonサステナビリティ・アンバサダーの活動が始まりました。日本のサステナビリティ・アンバサダー・プログラムは、グローバルで最大規模となる850人以上が参加するまでに拡大しています。これからも、日本発の取り組みをグローバルで展開していく予定です。

Amazonで働く

  • オフィス:Amazonは2018年9月に東京で3つ目の拠点となるオフィスをオープンしました。このオフィスでは、多様性と働きやすさを追求しており、その日の業務内容に合わせて働く場所を選ぶことができるフリーアドレスを採用しているほか、礼拝室、搾乳室、マッサージ室、オールジェンダー向けのシャワールームなど、ダイバーシティに配慮した働きやすい職場環境を整えています。
  • 働き方:Amazonでは、多様な働き方を応援する企業文化が存在し、アマゾンジャパンでも50の国や地域からなる社員が共に仕事をしています。また、世界に100万人いる社員すべての行動指針となっている「Leadership Principles(リーダーシップ・プリンシプル)」を常に大切にしています。これはAmazonのミッションを実現するための行動指針であると同時に、社員が自分らしく生き生きと働いて、自分のバリュー(価値)をAmazonで発揮していくベースともなっています。社員一人一人がリーダーであり続け、自分らしさを活かせる職場環境を浸透させることで、最終的にAmazonのミッションである「地球上で最もお客様を大切にする企業になること」につながると考えています。これからも、常にお客様を起点に考え、日々、小さなことから、そして時にはこれまでの概念を覆すような画期的な改善を積み重ねていきます。

このように、Amazonはこの20年間、さまざまなことにチャレンジし、日本での事業や地域社会での活動を展開してきました。今年で20周年を迎えることができたのは、Amazonのお客様、ビジネスパートナーの皆様、地域の皆様、そして共に働く社員の皆さんやご家族の協力とご支援があってこそです。

この気持ちを込めてこの2020年、Amazonは「感謝をずっと、笑顔をもっと。」というメッセージのもと、皆様への感謝を胸に、「地球上で最もお客様を大切にする企業になること」を目指し、イノベーションを通して、より良い社会の実現に取り組んでいきます。そのためには、創業当初からの精神である「It’s Still Day One」を大切にしていきます。私たちにとっては、毎日がはじまりの日。新しい未来に向けて、さらに挑戦してまいります。