2018年11月13日、プレジデント社主催、「逆転の発想で勝つビジネス大予測2019」が都内イイノホールで開催されました。その第2部で「最先端企業の働き方」をテーマにアマゾンジャパン社長 ジャスパー・チャンが、法政大学教授/一橋大学特任教授 米倉誠一郎氏と対談を行いました。

「多様な社員が働く職場は、マネージメントするのも面倒なのではないか」との米倉氏の問いかけに対し、チャンは、「多様なお客様のニーズに応えるためには、企業側も多様性を持ってお客様のニーズを把握できる体制にすることが必要です」と応え、アマゾンジャパンでは50の国と地域からなる社員が働いており、多様性がある組織はエネルギーに満ち溢れ、新しい発想でお客様のためのイノベーションを作りだせると語りました。

「最先端企業の働き方」キーワードはリーダーシップ・プリンシプルとDay1

2000年にアマゾンジャパンを設立した当時、社員は100人規模でしたが、現在では6,000人にまで拡大しています。毎年数十パーセントの成長を実現していることについて米倉氏に問われ、チャンは、「お客様が100%満足することはありません。お客様の要望にお応えしようとすればするほど、仕事に対する期待値は上がり続け、その結果としての成長です」と応えました。

「最先端企業の働き方」キーワードはリーダーシップ・プリンシプルとDay1

また、Amazonのリーダーシップ・プリンシプルについて、アマゾンでは社員一人ひとりがリーダーであり、日々、何かを判断する際に活かされていることを話しました。チャンから、「例えばオーナーシップであれば、自分で判断する力を持ち、自らの責任において、自発的に行動していくこと。一人一人が、リーダーシップ・プリンシプルに基づき、自らの能力を高めています」と話すと、米倉氏はアマゾンジャパンの成長を支えているのは、経営者や従業員自身に高い目標値を掲げ成長し続けるマインドセットがあることだと解説しました。

「最先端企業の働き方」キーワードはリーダーシップ・プリンシプルとDay1

創業者のジェフ・ベゾスは、「常に起業家としての精神を忘れてはいけない。毎日が始まりの日、Day 1である」と言っています。Day2に向かってしまうと、組織の目的を見失い、現状に満足し成長が止まり終わりを迎えると語っています。
チャンは、20年前に来日した時のことを振り返り、「空港のスタッフやタクシードライバーの対応ひとつをとっても、日本はカスタマー精神がとても高く、お客様を大切にする、顧客中心の考え方がある国です」と話しました。「しかし同時に私たちは、現状に満足することはありません。アマゾンでは、毎日がDay 1です」と語りました。米倉氏はその考え方に共感し、「日本は、Day 2に入ってしまうことなく、Day 1のマインドセットを持つことをアマゾンに学んでほしい」と締めくくりました。