2019年11月22日、ホテル雅叙園東京にて、「第4回 Amazon Academy」(アマゾンアカデミー)が開催されました。Amazon Academyとは、社会や企業が抱える課題をテーマに専門家を招き、産学官それぞれの立場から解決策を話し合うものです。

第4回となる今回のテーマは「AI時代に求められる力とその育成」。テクノロジーによって世の中の仕組みが大きく変わっていく中で、人がすべき仕事はどのように変わっていくのか、その能力を育てるために何が必要なのかについて、登壇者たちが意見を交わしました。

本記事では当日の様子をお届けすると共に、すべての講演を動画でご覧いただけます。

まずは開会のあいさつとして、アマゾンジャパン社長、ジャスパー・チャンが登壇しました。チャンはAmazonがこれまでに生み出した革新的なITソリューションの事例を紹介しながらも、Amazon社員にとって最も重要である行動規範「カスタマー・オブセッション(お客様起点で行動する)」について言及。テクノロジーはあくまで人のために存在し、それを使うのは人であると話しました。

AI時代に求められる人間の力を考える「Amazon Academy」

第1部の基調講演では、自由民主党政務調査会会長代理であり、前文部科学大臣 衆議院議員の柴山昌彦(しばやま まさひこ)氏が登壇。「Society5.0の到来と今後の教育の可能性について」をテーマに、日本が目指す超スマート社会「Society5.0」の実態と、新しい時代における教育のあり方について語りました。

AI時代に求められる人間の力を考える「Amazon Academy」2

続いて、電気通信大学 情報理工学研究科/人工知能先端研究センター 教授坂本真樹(さかもと まき)氏による基調講演です。「AIと共生する時代で活躍する人材を育む教育と環境について」をテーマに、そもそもAIとは何なのか、そしてAIが進化する社会での人の役割について、自身のキャリアを例として挙げながら語りました。

AI時代に求められる人間の力を考える「Amazon Academy」3

第2部は、Amazonの人材育成について。アマゾンジャパン パブリックリレーションズ本部長 金子みどりが登壇し、Amazonが実施しているイノベーション人材育成プログラム「Amazon Future Engineer」(以下、AFE)について解説します。

AFEとは、さまざまなバックグラウンドを持つ若者にITやプログラミングなどのコンピュータサイエンスを学ぶ機会を通じて、イノベーションの担い手となる人材を育成するプログラムです。日本では今年2019年9月にパイロットプログラムとしてスタートし、同年12月までに合計4回、中高校生とその保護者を対象にプログラムを開催しています。

本プログラムに協力するのは、世界120の国と地域で青少年の教育事業などを推進する公益財団法人YMCAと、中高生に向けたIT・プログラミングキャンプを国内最大規模で展開する株式会社ライフイズテックです。

両団体を代表して、横浜YMCA 総主事の田口努(たぐち つとむ)氏と、ライフイズテック 取締役の讃井康智(さぬい やすとも)氏らも登壇しました。AFEの活動の意義として、「テクノロジーによって居住地域や経済環境、障がいの有無などによる格差をなくして、すべての子どもたちの可能性を広げていくという、社会にインパクトを与える事業」であると、会場に強く訴えかけました。

AI時代に求められる人間の力を考える「Amazon Academy」4

第3部はパネルディスカッションです。基調講演に登壇した柴山議員と坂本教授、そしてジャスパー・チャンがパネリストとして、アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWS)プラットフォーム事業開発本部の澤田大輔がファシリテーターとして参加し、今回のメインテーマである「AI時代に求められる人材とその育成」について議論しました。

柴山議員はまず、AI時代の働き方に対する一般的な認識について、「AIによってなくなる仕事は何か、残る仕事は何かという言い方をすると、多くの人はAIのせいで失業者が増えるようなイメージを持ってしまう」と指摘し、「人の仕事は減るのではなく、変わっていくだけ。AIやロボットを活用し、トラブルなどの予測不能な事態に対応していくには、人の知識や知見が不可欠」と、AI時代における人の仕事の重要性を強調しました。

続いて坂本教授は、これからの時代に求められる人材の素養について、文系・理系という学問の垣根を超えた「文理融合の視点」が必要であると話します。「AIだから理系ということではない。開発者はもちろん、企画や運用といったサービスを作る仕事など、多様な人材によって社会の課題を解決していくべき」だとして、その実現のためには、すべての人が理系分野の基礎知識を身につけられる教育が必要であると訴えました。

そしてチャンは、「テクノロジーは人が成長するチャンスにつながる」と話し、Amazonでの事例を紹介します。米国の物流拠点で品出し業務を行っていたスタッフの仕事が、ロボットによる可動式の商品棚「Amazon Robotics」に代わり、現在はそのスタッフがスキルアップして約800台のロボットの管理者としてモニタリングしている様子がビデオで会場に流されました。

「Amazonは地球上で最もお客様を大切にする企業になるために、テクノロジーの発展と共に人間中心の社会を考え、世の中にある課題を解決していく」と、チャンは締めくくりました。

AI時代に求められる人間の力を考える「Amazon Academy」5

Amazon Academyは今後もさまざまなテーマで開催予定です。開催情報はAmazon.co.jpの公式TwitterFacebookで告知しますので、お楽しみに。