2019年4月15日、東京都新宿区のキッズドア四ツ谷ラーニングラボにて、小学生から高校生までを対象にした学びの施設「Amazon IT自習室」がオープンしました。

「Amazon IT自習室」は、経済的な環境を問わず子どもたちが気軽にITに触れられることを目指した施設です。毎週日曜と月曜の夕方に開講し、学校のプログラミング教室の予習復習はもちろん、動画編集などのテクノロジーを駆使した作業体験や、進路情報などのインターネット検索、また自習室内に設置されたコンピュータやAmazon FireタブレットなどのIT機器を使って、各自が自由に学習を進めることができます。

「IT自習室」で子どもたちの学びを支援
自習スペースでの様子。それぞれが興味ある分野での作業を進められる

自習室を運営する「キッズドア」は2007年に設立したNPO法人です。家庭環境に関係なく、子どもたちが学びへの意欲を高められるための活動を推進しています。

Amazonは2017年12月からキッズドアへの支援を始めました。キッズドアに通う子どもたちに向けて、アマゾンジャパンのオフィスを使ってのプログラミング教室やワークショップなど、過去4回のイベントを開催してきました。

「IT自習室」で子どもたちの学びを支援
2018年にAmazonで実施したプログラミング教室

さらには単体のイベントだけでなく、継続的な活動によって子どもたちの学ぶ機会を増やしていくという目標を達成するため、Amazonは今回のIT自習室プロジェクトへのサポートを開始しました。

自習室を開設するにあたっての新たな設備や教材、人材を整えるための資金面での支援や、開設後はAmazon社員がボランティアで自習室における学習をサポートするなどの総合的な活動を通して、子どもたちが学びを追求できる環境を実現します。

「IT自習室」で子どもたちの学びを支援
プレイベントの様子

3月25日、正式オープンに先立ったプレイベントが開かれました。まずはIT自習室の責任者であるキッズドアの梁瀬容僖さんから、参加した13名の子どもたちに向けて、自習室の内容や意義を説明します。

「今日はこの施設の体験会です。ワークショップとして、プログラミングの頭を鍛えるおもちゃを用意しました。自習室を体験して楽しんでいってください」と梁瀬さん。

「IT自習室」で子どもたちの学びを支援
プログラミングツール「キュベット」の説明をする梁瀬さん

ワークショップで使われたのは、「キュベット」というおもちゃです。遊びを通して自然にコーディングの基礎を身につけられるという、イギリス発祥のユニークなプログラミングツールです。

木製のコントロールパネルに4色の「指示ブロック」を並べることで、「キュベット」と呼ばれる四角いロボットが動き出します。例えば「緑」の指示ブロックは「前に進む」、「赤」のブロックは「右に90度曲がる」など、プロッグの色ごとに指示の内容が決まっています。

4つのチームに分かれて、ワークショップが始まりました。すごろくのようにマス目が書かれた「マップ」の上で、キュベットを「スタート」から「ゴール」まで、自分たちが考えたルートの通りに動かしていきます。

今回のプレイベントには、アマゾンジャパンから人事部の佐藤寿里さん、INTech(International Technology)チームのエンジニアである藤原俊明さん、榎本大佑さん、ゾウ・ウィリアムさん、AWE(Amazon Women in Engineering)の浦部友子さんの5名がボランティアスタッフとして参加しました。

ものすごいスピードでルートを組み上げるチームもあれば、中には難航するチームの姿も。見守るAmazonメンバーが、真剣な表情でキュベットに取り組む子どもたちを手伝います。

「最初はとにかく、何をすれば何が起こるのかをきちんと理解して、情報を整理することが必要です」と話すのは、今回ボランティアとして参加したメンバーの1人、浦部友子さんです。「どうすればそのルートを達成できるのか、初めから考えてみようか?」など、的確なヒントを与えていきます。

「IT自習室」で子どもたちの学びを支援
ワークショップの様子。各チームをAmazonメンバーがサポート

ここで「ゴールに向かうルートは3種類あります」と司会の梁瀬さん。どのチームも2種類のルートまでは成功したようですが、3つ目のルートがなかなか発見できません。ついにタイムアップとなってしまいました。

ワークショップが終わると、続いては自習の時間です。子どもたちは思い思いに移動して、自習スペースに設置されたコンピュータやAIロボなどの機器を試していきます。

「IT自習室」で子どもたちの学びを支援
Amazonメンバーが3つ目の正解ルートを模索

しかし、このままで終わらないのがAmazonチームです。各テーブルで検証の会が始まりました。エンジニアメンバーを中心として「こちらのルートはどうか」「ここを動かしてみたら」と、最難関である3つ目のルートを見つけるために試行錯誤します。もちろん大人たちだけでなく、残った子どもも一緒になって、全員でアイデアを出し合っていきます。

ボランティアメンバーの1人、藤原俊明さんは「子どもの発想力は本当にすばらしく、私たちよりも鋭いアイデアが出てきて敵いませんでした」と驚いた表情を見せてくれました。

あっという間に時間が過ぎて自習時間も終わりましたが、残念ながら最後まで答えを見つけ出すことができませんでした。

お題を出した簗瀬さんは「実を言うと、3つ目のルートは私たちにもまだ正解がわかりません」と告白。「無限に考え方が存在するのがこのキュベットです。『同じゴールに対してもさまざまなアプローチがある』ということを感じてもらえたら」と話します。

さらに簗瀬さんが「気になる人は後でまた考えて、答えを探してください」と付け加えると、Amazonメンバーは「さっそく会社でトライしてしまいそう」と言って笑い合いました。

「IT自習室」で子どもたちの学びを支援

アマゾンジャパンのパブリック・リレーションズ本部長の金子みどりさんは、参加した子どもたちに向けてこう話しました。

「今日集まったAmazonのボランティアメンバーは、普段会社で大活躍している人たちです。皆さんにとって、いつもの学校とはまったく違う環境だったかもしれません。自分たちで考え、工夫して、問題を解決していくことを実際に体験してもらえたと思います。

これから皆さんには、このIT自習室でたくさんのことを学んでほしいです。勉強は『楽しい』と感じる時が最も身につく時です。仲間と協力してやりたいことを一緒に進めて、自分たちの力で楽しい学びの時間を作っていってください。今後も私たちはキッズドアを応援していきます」

「IT自習室」で子どもたちの学びを支援
キッズドア理事長の渡辺さん(右)とアマゾンジャパンの金子さん(左)

また、キッズドアの理事長である渡辺由美子さんはこう話します。

「IT自習室は私たちにとっての念願であり、こうしてAmazonからの支援を受けて開講できたことをとても感謝しています。コンピュータを使うのが当たり前となった現在の世の中で、プログラミングのスキルを得ることは大きな意味があります。学校だけでは学べないことをこの場所で身につけて、社会に役立つ能力を持ってもらうのがIT自習室の目的です。

また今回のように、最先端のテクノロジーの現場で働くAmazon社員の方々と交流することで、子どもたちにとって将来目指すべきロールモデルが見えてくるでしょう。すべての子どもたちが夢や希望を持てる社会の実現に向けて、これからもAmazonからのご協力をいただければと思います」

なお、子どもの写真の掲載に際しては保護者の方のご承諾を得て、掲載しております。