本当に多くの方から善意が寄せられる状況を目の当たりにして、日本の助け合いの精神に触れ、感動しました
アマゾンジャパン 小野里景司 田中康弘

2016年4月14日、16日。熊本地方を震央とする最高震度7の地震が連続して発生。熊本県と大分県を中心に各地で電力や水道、道路が寸断されるなど大きな被害をもたらした。佐賀県鳥栖市にあるAmazonのフルフィルメントセンター(倉庫兼配送センター。以下FC)でも、商品が棚から落ちるなどの被害があり、操業を一時停止せざるを得なかった。

「自分が考えた物流ネットワークの立ち上げプランが計画通りに進められるのか、最初は少し不安もありましたが、安全を確保しながらもスピードを優先させました」と語るのは、Amazonの東京オフィスに勤務する小野里景司。商品の入荷から配達までを統括する物流のスペシャリストだ。彼は熊本地震の対応を任され、鳥栖FCの復旧と、「ほしい物リスト」*を介して注文される支援物資を速やかに届けるための特殊な物流ネットワークの設計をほぼ1日でつくりあげた。

ほしい物リストは本来、友人や家族に自分のほしい物を知らせるAmazonの基本機能だが、東日本大震災の時には、避難所などに必要なものを必要な数だけ届ける手段として活用された。Amazonは、熊本地震においても、ほしい物リストの活用を各避難所に呼びかけるとともに、必要な物資のリストアップの手伝いも開始することを決定していた。

小野里は、物流ネットワークを設計する際に、東日本大震災時に培われた知見を基に、改善策も工程に取り入れた。その一つが段ボールの削減だ。避難所が段ボールの処理に困ることがないよう、各FCから直接避難所に届けるのではなく、一度すべてを鳥栖FCに集め、避難所ごとに大きな箱にまとめ直す工程を追加した。

「通常業務に特別な工程が加わるわけですから、負担が増えることは目に見えていました。それでもAmazonのスタッフをはじめ、協力会社の方も誰一人として『できない』という人はいませんでした。逆に『ぜひやりたい』という声が多くて、その声に勇気づけられました。被災された方たちの役に立ちたいという思いでひとつになれたのだと思います」

FCでの詰め替え作業を担ったのが鳥栖FCの責任者・田中康弘だった。彼はわずか1か月前に他のFCから赴任したばかりだったが、余震が続く中、安全を確保しながらFC内の復旧活動と箱の詰め替え作業の指揮を執った。

「被災地応援としてほしい物リストが活用されること、そして速やかにFCを稼働させ、物資を被災地に届けることが一番の貢献になると伝えると、スタッフの表情が明るくなりました。FCで働く誰もが地域のために何ができるのかを考えていたのだと思います」

4月21日、Amazon.co.jpの特設サイトに各避難所のほしい物リストが掲載されると、Amazonのお客様によって次々と商品が購入されていった。その多くは、使う人に合わせる必要がある紙おむつや、粉ミルク、下着類、洗濯用具、おもちゃなど、まさに今避難所で必要とされているものだった。

「本当に多くの方から善意が寄せられる状況を目の当たりにして、日本の助け合いの精神に触れ、感動しました」

田中は、鳥栖FCから初めて避難所に向けて出荷する際に、自らトラックに同乗し各避難所に送り届けた。各地で歓迎されたことを今も忘れないという。

「Amazonの箱を見ると日常に戻った気持ちがすると言ってくださった方もいて、うれしかったです。もっと早くお届けしなければとさらに士気が上がりました。あの経験があったことで、どこか保守的だったスタッフも変化を恐れなくなり、より積極的になったと思います」と微笑む。

ほしい物リストは、東日本大震災発生以後、約7000以上の避難所や学校、支援団体に活用されてきた。現在もなお、東日本大震災および熊本地震の被災地を応援するほしい物リストは活用されている。じっくりと支える応援もほしい物リストの得意とするところだ。Amazonでは今回の経験を蓄積し、これからも災害時のほしい物リストの活用を息の長い取り組みとして続けていこうとしている。

全体の司令塔としての役割を果たした小野里は、「今回あらためて、ほしい物リストのような、Amazonの基本的な機能が災害時に役立てられたこと、そして協力的で実行力のある仲間と一緒に取り組めたことを誇らしく思いました。一昨年、徳島県と災害時の支援に関する協定を締結しましたし、今後も災害時だけではなくさらに社会に貢献していきたい」と熱心に語った。

*ほしい物リストについてくわしくはこちらをご覧ください

各被災地から寄せられたメッセージはこちらからお読みいただけます。

徳島県との災害発生時における支援協定についてくわしくはこちらをご覧ください



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